看護業界において、看護師の人材不足は切実な問題の一つであり、十分な人材を確保し、ゆとりを持って働ける環境が整えられている職場はあまり多くありません。それどころか、人材不足が当たり前のようになっており、仕事に忙殺されてしまう状況が生まれている職場もあります。毎日のように残業をしなければ仕事が追いつかないということも看護業界ではよくある話です。しかし、一刻も争う局面が多い医療や介護の現場では、その日のうちに行わなければならない仕事が出てくるのは必然的なことでしょう。現場の仕事をできるだけ効率的に処理していくためには、仕事ができる人に多くの仕事を担ってもらいどうにかしてでも全ての業務を終えられるようにすることが必要になってくるのです。仕事が処理できないような状況になっている職場ほど、このような傾向は強く、仕事ができる人には仕事が集まりやすい傾向があるのは否めないでしょう。なぜ自分だけ仕事の量が多いのかと不満に思う看護師もいないわけではありませんが、実際には不満に思うよりも良い機会だと考えている看護師も多くいます。仕事が多いということは、それだけ経験を積めるということに直結されるからです。余力があるからという理由で複雑なケースを割り当てられることも多く、一部の人でしか経験できないような看護経験を積めることも多いでしょう。それを通して、いつの間にか能力も伸びていくことになり、ますます他の看護師との能力差が開いていくのが仕事ができる人の特徴です。そのため、人材不足の現場で働くことは、決して無駄ではありません。とはいえ、人材不足の影響から、体調を崩してしまう看護師も多いため、激務に悩んでいる看護師は、メンタルが崩壊してしまう前に、転職するなど何か環境を変えてみるのもいいかもしれません。